2010年11月06日

Q10は稀にみる傑作ドラマ

ドラマを毎回観るのは大河ドラマの風林火山以来になりますが、土曜夜9時のQ10は面白いです。
テレビでも映画でも、どうせぶっ飛ぶなら思いっきりぶっ飛んだほうが面白いと思う自分ですが、ただぶっ飛んだだけではその時間は一瞬にして過ぎていくわけで、何か心に響いてそれが残るようなものが望ましいなと思います。

要素という点で考えれば、Q10はチャップリンの作品と共通するところがあり、大笑いと号泣を共存させる不思議な自然さを感じます。
また、効果という点で考えても同様であり、非日常の中にとんでもない日常があってそれが現実の日常に共鳴しながら迫ってきます。

いわゆる振り子の振幅を大きくすることによって起こる反動力にポイントをしぼる手法であり、単純ではありますが純粋な効果が出る手法とも言えます。
さらにテレビがテレビでなくなったような今の時代では、ドラマも駄菓子であっていいと思います。駄菓子は何かの偽者であることが多いですが、その偽物は愛されています。駄菓子には駄菓子の世界があるわけです。その世界観こそが、駄菓子たる存在感でもあります。

とっつきやすさの点でも、このドラマはかなりいいです。みんなかわいしいし、みんなかっこいい。演技がうまいとかへただとか、なぜか演出家にでもなったような評論をたまに目にしますが、ミッキーマウスの口の中を覗き込むような醒めたアプローチでは何を見ても面白くないでしょう。

印象的には、ちょっとした心の揺れも大きなテーマになっていると思います。この点では、スピッツやバンプの歌詞とも通じるものがあります。
あえて言葉に出さない、あるいは出せないような心の揺れを大々的に表面に出すことが共感を得られるのは自然なことでしょう。ストレスや不安には様々な種類がありますが、言葉に出すほどでもないことが積もりに積もって起こるストレスもあるはずです。そのほんの一部でも表面化すれば、それ以上の量で救われたような気持にもなったりします。

Q10の良さを言葉にするのは難しいですが、それはあまりにもバランスが良すぎてどこをとりあげたらいいのかわからなくなるので難しく感じます。
なので、何個かに分けて書いたこともほんの一部でしかないわけです。
間違いなく言えることは、このドラマは壮大なる駄菓子。安っぽくてふざけてて素朴で純粋な駄菓子です。付け加えれば、ちょっとクセになるおいしさです。
そういう意味では、Q10は稀にみる傑作ドラマだと思う次第。
posted by ぁぃ♂ | 岩手 ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | その他日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする