2012年05月22日

AKAGIの中華そば

AKAGIの中華そば

何十年かわかりませんが、かなり昔からあるAKAGIの中華そば。昔はどんぶりの形をしたプラスチックの容器でしたが、今は普通の発泡スチロールの容器になっていました。どんな味だったか忘れたので、ちょっと買ってみました。


AKAGIの中華そば

中をあけると3つの袋。ちょっと大きめのネギと謎肉のチャーシューが目立ちます。うまみ香味はオイルではなくて動物性の脂肪が白く見えます。


AKAGIの中華そば

完成形。これですな、これです。
さっそく食べてみましたが、何ともチープ。これといって個性の無い普通の醤油味。しかし、このAKAGIの中華そばの魅力は、まさにここにあるのであります。
最近は、どこの店の監修だ誰が作った味だと大騒ぎをしている市場ですが、何の主張も無く何の個性も無いまま何十年も販売し続けるこの姿勢、そしてこの味。食べるという行為は舌から味覚を感じるだけの行為ではなく、それは一種の現象でもあります。しょっぱすぎる味と化学調味料の味が謎肉チャーシューの味をさらに不可思議なものにするこの空気、いやはや最高です。
何と言いますか、今のカップめんはうま味成分で固められていますが、このカップめんはそれがありません。うまみ成分が限りなく少ないので、うまい!という感覚がありません。動物性の油脂まで入れたのに、それが無いのであります。出汁は入っているのか!エキスはどこだ!軽くパニックになります。
しかし、多くの人はここで見えない現象があったことに気づいていません。舌がリセットされたのであります。
舌の奥のほうばかり反応するうまみ成分だらけのカップめん。そんな中でそもそもの味はいかなるものなのか、その次元にさりげなく回帰できるアイテムがこの中華そばなのであります。
中華そばでありインスタントであるのですから、そんなに力んでどうするの?といった感覚。だから食べていても緊張感がありません。
ちょっと軽く簡単に食べるのがインスタントなのであれば、その味はこれでいいのかもしれません。
だからと言って全てのインスタント食品がこの味になっても困るわけで、こういう位置づけのカップめんはあってもいいという意味です。
とんでもなく長寿のこのカップめん、その理由は、もしかしたらそこにあったのかもしれません。
posted by ぁぃ♂ | 岩手 ☁ | Comment(0) | カップ麺・ラーメン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする