
「これも食えゴルァ!」というわけで、いばらきけんちんそばです。
麺がそば粉四割ということなので、そのあたりの食感が楽しみです。

液体スープとかやく。このかやくは「豆腐、味付油揚げ、サトイモ、ゴボウ、ネギ、ニンジン」の6種類が入っており、けんちん汁らしさを演出してくれそうです。

お湯を入れて4分後。白くて丸いものがサトイモ、白くて四角いものが豆腐、茶色くて長方形のものが味付油揚げ。ゴボウやニンジンも入っていますが、大部分は底に沈んでいます。
さっそく食べてみましたが、そば粉四割のめんはなかなかいいかんじです。ざらつき感や粉っぽさもきちんとあり、カップ麺でここまで出せているのは少ないと思います。
サトイモは歯ごたえがありながらもぬるぬるしており、豆腐もふわふわ感があります。味付油揚げもいい下味がついています。底に沈んでいるニンジンもこりこりした食感で、グニュッとつぶれるようなニンジンではありません。
総じて、かやくのひとつひとつに存在感があり、このあたりは金ちゃんヌードルに通じます。欲を言えば具がもう少し多ければとも思いましたが、それをやると庶民の値段じゃ買えなくなりそうなので、このあたりでいいです。
さてさて、このカップ麺の最大の満足度はスープでした。少しだけとろみのある甘じょっぱいスープにけんちん汁のうま味が溶け込んでおり、これは普通にうまいと言えるスープです、つか、汁です。
都会の人にわかりやすい表現をするとすれば、日本の田舎の味がします。口の中で何ひとつ衝突するものが無く、すべてが仲良くしたままのどを通り過ぎる感覚。心がほっとした時間を感じました。
物理量と金額を比べれば確かに物足りなさを感じますが、心がほっとする田舎味の汁を飲みほして食事を終えたときの満足感の中では、「また食べたい」と思いました。なんか、全体的に真面目に作られている印象があります。極めて平和的です。
南に激辛の麺あれば、行って食える程度にしろと言い
北に流行りや店主監修があれば、つまらないからやめろと言い
そんな宮澤賢治のようなカップ麺なのでありました。