あの日から7年。今年小学校に入学する新入生は、あの日以降に生まれた児童です。
自分は関東大震災を知らない人であり、戦争を知らない子供たちであるわけですが、この世代現象が東日本大震災にも当てはまる時がすでに訪れています。
災害や人災を経験した人の話を何度聞いても、リアルに感じることができない未経験の人たち。多くの人がそうであるように、自分もまたその一人です。
この時代は誰でも録画機能を持つスマホを持ち、即座に動画投稿サイトに投稿し、それを世界中で共有できる時代です。
動画投稿サイトの中では膨大な記録映像を見ることができ、その量は昭和以前の震災や人災の記録量とは比べ物になりません。
正確な状況を焼きこんだ絵、感情までも織り込まれた音。もしかしたら、どうしても超えられなかった「未経験」という未知の現象は、たくさんの記録映像に触れることによって、解消できるのかもしれません。
知らないという事象は情報が無いのではなく、あふれかえる情報の中から必要な情報を探し出せなかっただけなのかもしれません。
代々伝わる経験者の話、長く残る無言の石碑、そして、確実に残していかなければならない記録映像。
共有とは、共に怖がり、共に学ぶ機会です。これからも正しく共有されていくのであれば、今年入学する児童も戦争を知らない子供たちでなくなるのかもしれません。
あの日から7年、文明の進化をしっかりと咀嚼していけば、人類は自らが進化させた文明に追いつきながら生きていけるのかもしれません。