窓から外を見ると、懐中電灯を持ちながら歩いている人の灯りや車のライトの灯りが時折見えましたが、その他は真っ暗でした。車載テレビの映像で被害状況を確認をしようと外に出て空を見上げると、いつも見える北斗七星は粉状の星の中にありました。普段見えない星々が見えるようになっており、空は無数の星群で包まれていました。

大雪の影響で停電が長く続いてファンヒーターが使えなくなったことを以前ニュースで知り、数か月前に買っておいた反射式ストーブを引っ張り出しました。買っておいて本当に助かりました。最近はオール電化の住宅も増える中、こうした従来の暖房器具を使う人の数も減り、売り場に陳列される数にも限りがあります。防災用品としては、こうしたストーブがまだまだ必要だと思います。

LEDのミニ電灯を壁に固定し、机上を照らして過ごしました。頭にベルトで固定する電灯からベルトを外して使いました。
灯りと言えば懐中電灯ですが、手持ち以外でも使える形状や大きさのものがあれば、その使い方の幅も広がります。ランタン方式の灯りがあればよかったのですが、それは持っていませんでした。

10年以上前にカシオのキーボードを買った時の懸賞で当たった携帯液晶テレビ。単3電池4本で3時間ぐらいしか見れませんが、非常持出袋の中から取り出して使いました。これを見るために単3電池は多めに常備しています。画面は小さいですが、部屋の中でも被害の状況を見ることができました。
地デジに完全に切り替われば使えなくなるテレビですが、今は携帯でもワンセグがあるじゃないかと思うかもしれません。しかし、携帯の電池性能はまだまだ発展途上で、その節電性と非常時の給電方法には問題を残しています。
電気と水道は止まりましたが、ガスは都市ガスではないので使えたのが幸いでした。お湯を沸かせるだけで暖かいものを食べることができます。この点もオール電化だとアウトでしょう。実は自分はオール電化大好き人間なのですが、今回だけは古い家でよかったと思いました。
その夜は12時ごろまで情報収集をしていましたが、次の日は買い出しできるものを買っておかなければならないと思い、早朝に起きようと決めました。
日ごろから防災意識は強いほうで非常持出袋も用意していますが、水道まで止まると目先の必要なもので買えるものは新規で買おうという気持ちになるものです。特に食べ物や飲み物、ウェットティッシュぐらいはさらにほしいところです。
地震翌日にどれだけの店が開いているか、どれだけのものを買えるかは未知数でした。停電状態なので、レジでは計算機をはじくことになります。そんな苦労をして善意で営業をしてくれるのか、その点だけが不安でした。
(「買い出しと吸水編」に続く)