
毎年各地で発生している集中豪雨では、堤防が決壊して大規模な水害が起こる例も度々あります。我が家も山のてっぺんに建っているわけでもないので、洪水時の水位が2階まで達した場合に屋根に避難することを想定した準備をすることにしました。
行動の流れの想定としては、「2階に避難する」→「ベランダに出て救助を求める」→「屋根に上がって救助を求める」です。
屋根に上がった状態では、真夏の暴風雨 or 真冬の吹雪の環境下で1晩過ごすことも想定しました。

ベランダから屋根にかける折り畳みのはしご。はしごはベランダの4か所にロープで固定します。
非常時は少なからず気が動転していると思うので、ロープの固定位置もわかるようにしました。

はしごをロープで固定するときに使う自在金具。金具はすでに適した長さに切ったロープの適した位置に取り付けた状態にしてありますが(下画像参照)、例のごとく気が動転していると思うので簡単な解説書を作りました。
適した長さに切った各ロープの先端はほぐれるので、熱収縮チューブで加工しておきました。ロープは、柔らかくて強度と耐久性があるポリエステル製。

折りたたんだ状態のはしごと救助旗とリュックとロープ。救助旗は、国際救難色でもあるオレンジ色で、降雨時でも振れるように水を吸わないポリエステル製。サイズは70×100cm。位置がずれないように結束バンドで枠を作りながら棒に固定し、持つ位置には暗くても持つ範囲がわかる黄色のビニールテープを巻きつけて、濡れても滑らないようにしました。この旗を振って救助や偵察に来たヘリにこちらの存在を知らせます。

リュックと折りたたんだはしごと救助旗の収納状況。
はしごの黄色い部分は、ロープの固定位置を示すために貼った粘着テープ。矢印の位置にロープをかけます。

スニーカーが入っている箱とポロシャツとはしご用ミニランタンとミニラジオと防水袋に入れたUSBメモリー。
ポロシャツは目立つ蛍光黄色とし、防寒具の上からでも着ることができる二周り大きいサイズにしました。薄地で軽いポリエステル製。

屋根に上がる際に履くスニーカー。これは介護用のスニーカーで、すぐに履くことができて軽量。靴底は防滑ゴムです。
最大の特長は、柔らかく折れ曲がること。はしごを上ったり傾斜のある屋根を腰を曲げながら歩いたりする際、接地性を確保するために足の曲がりにしなやかに追従する必要があります。つま先まで靴底のゴムが来ていることも重要。傾斜のある屋根を慎重に歩く靴なわけです。

救助や偵察に来たヘリと意思疎通を図るために、国際民間航空機構の対空信号票を作ってスケッチブックの各1ページに1枚ずつ貼りました。
リュックに入る大きさなのであまり大きくはありませんが、ヘリからは双眼鏡で見てくれるはずです。

自在金具等の解説やこの表は、印刷してリュック置き場とリュック内に入れます。
はしご用ミニランタンは、夜間でもはしごの足場がわかるようにはしごに取り付けるミニランタン。ライトやラジオなどの電池が入っているものは、電池の接点に絶縁紙をはさんで保管時の電圧低下を軽減させています。リュックに入れるナップサックは、いったん屋根から2階ベランダに降りて屋根に物を運ぶ時に使う軽量薄地タイプのもの。可能であれば、追加で毛布などを運び入れたいところ。
去年の秋ごろから構築計画を進め、ようやく完成。発生の可能性は比較的低いと思われる大規模水害の備えとして相応の時間と決して少なくはないお金をつぎ込みましたが、泥水を飲んで水死するのは苦しそうなので準備しました。
非常持ち出し袋も今回の避難セットもそうですが、使わなくて万々歳。いっぱい無駄金を使ってしまったなあと人生最期の日に笑うつもりです。